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村人の生活 -社会・政治問題
 村出身の国会議員来村 
Dr. Leon Alfred Opimbat
 バンベンガのこと
 エボラ出血熱の発生~終焉

 
 
ンボモ村出身でコンゴ共和国の元厚生大臣、世界を飛び回っているDr.オピンバが来村しました。村人総出のお祭り騒ぎで、到着日には彼を出迎える大勢の村人が深夜まで歌って踊っての大歓迎ぶりには驚かされました。彼の所属する政党支持派もそうでない人も、とにかく集まってくるほど重要人物なのです。
 

到着日翌日には小学校の教室で数時間にわたり集会が行われました。国家・地方予算のこと、国会で審議されている問題や、選挙のことなど、オピンバ議員からの報告に、教室に入りきれないほど集まった村人はみな熱心に聞き入っていました。

  人々は政治問題に関心が高く、質問も多数出されました。中でも村人が最も問題と感じていること-医療・教育面でのスタッフ不足、道路の未整備などについて窮状が訴えられましたが、行政の問題なのでなかなか解決は難しいようです・・・。
 

ピグミー族という言葉を聞いたことがありますか?森の中で暮らしている少し背の低い狩猟採集民族-と思われていますが、もう祖先の代から村に定住している人々も、ピグミー族のアイデンティティーを持って生きています。ンボモ村ではバンベンガと呼ばれる人々がそうです。が、村で生活していく術があまりうまくない彼らは、粗末な造りの家に住み、畑も効率の悪い収穫、と不便を感じているうえ、村人の下働きを安い対価でさせられるなど、不条理に差別を受けています。
 
バンベンガが他の村人たちと同じように生活できるようにと、村人が作った彼らを支援するNGOがあります。   資金もないため細々とした活動ですが、首都に連れて行って社会のことを見せたり、農業技術の指導をしたり、という普及教育をもっと行いたいと言っています。
 
 

2003年11月に村では3回目となるエボラ出血熱が発生しました。(村での病気への対応について詳細は「国境無き医師団」のサイトに詳しく書かれています。)汗を含む体液で感染する致死率50~90%という恐ろしい病気のため、駐ガボン日本大使館から再三ご心配・忠告いただきましたが私は避難はせず、とにかく感染源との接触を避けるよう気をつけて生活していました。

エボラの疑いが出てからすぐ、村人は普段挨拶にする握手をやめ、他人に接触しないようになりました。人がたくさん集まる学校と教会は閉鎖されました。村人たちの一部は、森の奥に切り開いている畑の小屋に寝泊りするようになったり、外出を控えて家の中にじっとしていたりで、村はひっそりとしていました。わたしは村の外れの区画に住んでいたこともあり、村の中を通過しないで行ける範囲の外出しかしませんでした。WHOと国境無き医師団の人々がやってきて、感染拡大防止の監視体制が敷かれていました。 他所の村からの出入りも制限されました。

厚生大臣も飛行機でやってきました。村人たちとの集会に参加した人によると、感染した遺体に触らないように、また野生動物の肉に頼らず、家畜で食用肉を生産するように、とのお話があったそうです。

12月に入ると死者続出状態はおさまり、最終的に死者は28人、感染源は野生のイノシシと発表されたそうです。亡くなったのはほとんどが同じ家族で、ある人は一家で13人も亡くなったそうです。遺体を洗う習慣があるのと、どうしても病人の世話をすることになる女性と、抵抗力の弱い子どもが犠牲になることが多かったようです。クリスマスには教会で礼拝が行われることになり、それから村に活気が戻ってきました。学校も1月から再開されました。

 
1月半ばに村でエボラに関する会議が開かれました(写真)。森に3人で狩猟に入っていたうち、2人だけが最初の感染者となって亡くなり、1人はその際のゾウの密猟で服役後、出所してきました。その1人を招き、その時の狩猟の詳細報告を聞き、参加者から次々と質問が出されました。会議は村の長老たちによって進行されて、とても民主的なもので驚きでした。が、残念ながら大半がこの地方の言語ンボコで話されたので、あまりよく理解できませんでした。村人がとにかく疑問に思っているのは、同じように葬式に出て死者と接触があってもなぜ死ぬ人と死なない人が出るのかということ、なぜ同じように野生動物の肉を食べていてもこの村に起きて他所では起きないのか、ということですが、この疑問は解消されませんでした。
オザラ国立公園周辺ではエボラは人間だけの問題でなく、防御する術を持たないゴリラにも脅威となっています。今まである場所で見られたゴリラのグループが忽然と姿を消したり、一部屍体が発見されたりし、広くゴリラの生息状態とエボラとの関係を調べているゴリラの研究者たちがいます。
     

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